2024/05/01発行 第99号

    このメールは、過去、ヒプノテクスS&Lと
    吉田ヒプノロジー研究所に接点のあった方に送っています。
    毎月1回、発行予定です。
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    ~~無意識の可能性を引き出す! 実践的催眠術の世界~~
    2024/05/01 発行 第99号 

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    ■ 【目次】
    ■ 1.ご挨拶
    ■ 2.吉田かずお式催眠術をもっと知る#15『禅と催眠』
    ■ 3.催眠関連書籍紹介
    ■ 4.吉田かずお先生トリビア
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    1.ご挨拶

    本メールマガジンをご講読くださり、
    心から御礼申し上げます。
    ヒプノテクスS&L 代表、そして、
    吉田ヒプノロジー研究所の石川真です。

    5月になりゴールデンウィーク真っ只中です。
    暖かい気温を超えて、
    初夏の雰囲気になっている場所も多いことでしょう。
    行楽の最中の方もいらっしゃるかと思います。
    環境の変化や疲労の蓄積にご注意ください。

    このメルマガの本文記事テーマは
    吉田かずお先生が生前に
    よく話題にしていた事柄を取り上げています。

    今回は先生がときどき言及していた
    禅と催眠技術の関係についてです。

    禅は歴史も長く、日本文化に深く根ざし、
    短い文章にまとめるのが非常に大変です。
    しかし、鎌倉時代から日本に浸透したと言われる禅は
    自己催眠を軸とする日本の催眠文化を
    作ったと言っても過言ではありません。

    今回は通常より
    少々文章も長くなってしまっていますが
    是非ご一読ください。

    また本文に続く書籍紹介も
    仏教学者である鈴木大拙による
    入門書を二冊並べて紹介する
    異例の内容になりました。

    いつもより大分ボリューム増ですが、
    ゴールデンウィークのお時間のある時に
    是非、日本の人々に根ざした
    催眠技術のひろがりをお楽しみください。

    今となっては、第二次世界大戦前まで
    日本が催眠大国であったことを知る人も
    減ってしまいました。
    そのような歴史的背景も含めて
    私どもの催眠レクチャーのカリキュラムは構成されています。
    ご関心を賜りましたら、
    メールにてご一報ください。

    今後、メールでのご連絡がご不用の方は、
    お手数ですが、以下より手続きをお願いいたします。
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    1. 吉田かずお式催眠術をもっと知る#15『禅と催眠』

    禅は日本文化に多大な影響を与えていて、
    座禅の修行などを誰しもがすぐ思い浮かべることでしょう。
    しかし、禅とは本来何であるのかはあまり知られていません。

    「禅の真髄は仏陀が成就した悟りを体験することにある」
    と禅を海外に日本文化として広めた鈴木大拙は言います。

    彼は続けて…
    「したがって禅は、仏陀がその永年の遊行の間に説いた教示、
     もしくは説法にただ盲従することを拒む」
    と述べています。

    これは「不立文字」と言われる禅の考え方で、
    何かの定義や論理を教えて頭で理解することで、
    悟りには至れないことを示しています。

    では、悟りとは何かを考えると…
    「悟りは、食べることや飲むこと、
     あるいは様々な種類の仕事といった
     日常の個々具体的な体験に、
     それまで隠れていた意味を見出す」もので、
     
    「その意味は在ることそれ自体に、
     成ることそれ自体に、生きることそれ自体にある。
     これは日本語では、「このまま」、
     あるいは「そのまま」の生活といわれる。
     「このまま」、あるいは「そのまま」は
     物の「あるがままisness」を、
     すなわち、あるがままの「現実Reality」を意味する」
    と鈴木大拙は述べています。

    この「あるがまま」を受け容れる態度は
    催眠技術の、特に吉田かずお先生の催眠の考え方による
    催眠技術を連想させます。

    吉田先生による催眠技術はラポール形成を非常に重視し、
    催眠の対象者が催眠術師を受け容れることで
    催眠施術の半分が完了し、
    催眠対象者が催眠術師の暗示を受け容れることで
    催眠施術の残り半分が終わると考えられているからです。

    そして吉田先生による催眠施術の本質は
    執着を捨てさせ気にしなくすることです。

    吉田先生は
    「先端恐怖症」の人物へは
    「尖ったものが気にならなくなる」暗示を入れ、
    「不眠症」の人物へは
    「自分が眠れているかどうかがどうでもよくなる」暗示を入れます。

    催眠状態の深い無意識の平穏の中で、
    執着を捨てあるものをあるがままに受容すること。
    それは実は仏陀の悟りの心境と非常に近いことが分かります。

    19歳の頃から禅に没頭し、
    悟りを開いた者として認められた平塚らいてうは
    禅体験を”精神集注”と呼び、
    「催眠術による”完全な催眠状態”」と
    「接吻の”恍惚”」に類似していると書き残しています。

    自己催眠による無我の催眠状態の先には
    仏陀が成就した悟りの心境が存在していると考えられるのです。

    [関連リンク]

    変性意識状態: 平塚雷鳥の禅とキスと催眠術
    http://hypno-techs.saimin-seminar.com/?p=690

    作業をしながら行なえる特殊な瞑想方法
    http://hypno-techs.saimin-seminar.com/?p=1172

    西田幾多郎の「純粋経験」
    http://hypno-techs.saimin-seminar.com/?p=1626

    禅の思想と催眠技術
    http://hypno-techs.saimin-seminar.com/?p=2277

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    1. 催眠関連書籍紹介

    『禅』・『新 禅と日本文化』

    二冊共に記事でも紹介した鈴木大拙の著書です。
    仏教学者、文学博士である彼は、
    禅についての多数の英語の解説書を書き、
    日本の禅文化を海外に紹介したことで有名です。

    その英語著作を日本語に訳しなおしたうちの二冊が
    これらの『禅』・『新 禅と日本文化』です。

    非論理的で議論などを指して、
    禅問答と呼ぶことがありますが、
    禅は相矛盾するものも受け容れ、
    ものごとを定義したり分類したりして理解することを拒みますから、
    記事にも紹介した公案は「禅問答」になってしまうのです。

    そうした本来文字で表現できない禅の世界観を
    その核の部分までギリギリに迫って
    鈴木大拙が説明している内容になっています。

    二冊の中には特に吉田式催眠観と通底する
    あるがままにすべてを受け容れる
    深い催眠状態で見出せる無意識の世界が
    あちこちに見出すことができます。

    催眠技術を理解している者にとって、
    禅が自己催眠による没我を追求した
    究極の思想であることが分かる二冊です。

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    4.吉田かずお先生トリビア

    きちんと統計的に検証した訳ではありませんが、
    晩年の吉田かずお先生の催眠セミナーの
    受講者の職業で最も多いのは、医師のようです。

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    いかがでしたでしょうか。
    当メールマガジンは毎月1回発行予定です。
    催眠について、もっと知りたいことがありましたら
    是非、以下のメールアドレスまで、リクエストをいただけますと幸いです。
    最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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    【発行元】
    ヒプノテクスS&L/吉田ヒプノロジー研究所
    執筆担当 石川真

    お問い合わせはメールにて
    E-mail mail@hypno-techs.info

    『伝説の催眠術師 吉田かずお 催眠の世界』
     https://hypno-techs.info/
    『吉田かずおの催眠の世界【公式YouTube】』。
     https://www.youtube.com/@hypno-techs

    ヒプノテクスS&L
     http://hypno-techs.saimin-seminar.com/

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