吉田かずおの催眠技術の適用分野は広く、舞台やテレビで見せる演芸催眠はもちろん、ダイエットからゴルフプレー時の精神集中など、各種ヒプノセラピーを渋谷のサロンで行なっていたこともあります。また、その広いテーマの広がりをそのまま投影したような催眠CDシリーズの制作も有名で、多数の催眠CDやオーディオブックが今でも売れ続けています。さらに、深夜のテレビ番組に出演して、セックス催眠を披露し、その後アダルト映像の業界でセックスと催眠の深い関係性を掘り下げたのも吉田かずおの実績の一つです。 催眠技術の教授においては、自己催眠と他者催眠の両立を重視し、医師などにも指導をしたり施術をしたりした実績も豊富に持っていました。その多くの技術は弟子の石川真に引き継がれています。 吉田式催眠観は具体的には以下のような特異な考え方を含んでいます。
1. 「変性意識状態にその対象者の言動や記憶を変更する暗示が書き込まれる事実があれば、それが催眠術師によるものであるか否かに関わらず、それを催眠(現象)と認める」
催眠状態は催眠術師によってのみ起こるものではないので、「催眠現象」として考えるべきものであるということです。
2. 「催眠施術を成功させる要件は『対象者との確実なラポール形成』と『対象者が受け容れやすい暗示文の用意』のみである」
催眠のかかりやすさなどは一切関係なく、この二条件を満たせば誰でも催眠にかかることになります。
3. 「後催眠暗示は半永久的にその効果が続く」
催眠状態の対象者の無意識に書き込んだ暗示は解除しなければ後催眠暗示となって半永久的に持続するということです。